2003 年 44 巻 4 号 p. 150-156
患者は47歳, 男性. 近医で腹部超音波検査上, 腫瘍性病変を指摘され, 当科に紹介入院となった. Superparamagnetic Iron Oxide 造影 Magnetic Resonance Images (SPIO 造影MRI) にて腫瘍は周囲非癌部と比較して低信号を呈した. 組織学的には腫瘍は高分化型肝癌と診断された. 肝類洞内 Kupffer 細胞を認識するCD68染色を施行したところ, 癌部では非癌部と比較し, CD68染色陽性細胞数の増加が認められ, 高分化型肝癌結節では Kupffer 細胞数が増加する可能性が自験例より示唆された.