抄録
薬物性肝障害の診断に頻用されるリンパ球刺激試験 (DLST) に, 漢方薬の持つマイトジェン活性が及ぼす影響を小柴胡湯とマウスリンパ球を用いて検討した. 小柴胡湯は in vitro でマイトジェン活性を示し, これには主に甘草が寄与していた. 小柴胡湯を投与したマウスの肝臓リンパ球ではCD3+細胞のポピュレーションとIL-2, IL-4, IFN-γの産生が増加し, 脾臓リンパ球でもサイトカイン産生の変化が認められた. 脾臓リンパ球の各種マイトジェン(Concanavalin A, 抗CD3抗体, lipopolysaccharide) による, もしくは漢方薬 (小柴胡湯, 桂枝茯苓丸, 麻黄附子細辛湯) による幼若化反応は, 小柴胡湯摂取群においてより増強されていた. 小柴胡湯が in vitro, in vivo の双方で示すマイトジェン活性が漢方薬のDLSTに抗原特異的でない影響を与える可能性が考えられた.