45 巻 (2004) 10 号 p. 549-554
症例は86歳, 女性. S6に4×4cmの腫瘍を認め, 肝切除を受けた. 術前のAFP 17250ng/ml, PIVKA-II 447mAU/mlであった. 肝切除後6カ月目より腫瘍マーカーの上昇を認め, 1年後にはAFP 9364ng/ml, AFP-L3分画40.3%, PIVKA-II 3100mAU/mlと著増を認めた. 1年半後はAFP 11.8ng/ml, L3分画15.4%, PIVKA-II 113mAU/mlとほぼ正常化した. 画像診断上も頻回のCT検査でHCCの再発は認めていない. 肝癌の切除後再発, 転移を認めず, 一過性にこのような腫瘍マーカーすべてが著増を認めた点は特異な症例であると考えられた. さらに非癌部肝組織でNASHの所見が得られた.