45 巻 (2004) 5 号 p. 261-267
常習飲酒家の54歳男性. 1994年10月C型慢性肝炎と診断され, IFN治療を行ったが無効であった. 2000年腹部超音波検査で肝全域に高エコーの結節を多発性に認めたため, 入院精査を行い多発限局性脂肪肝と診断した. また, 手背部の皮膚脆弱化と色素沈着を認め, 晩発性皮膚ポルフィリア (PCT) の合併と診断した. 皮膚所見は次第に悪化したが, 2002年3月より実施したIFN・リバビリン療法終了前からPCTの皮膚所見および多発限局性脂肪肝の改善を認め, 治療終了後にはHCV-RNAは再陽性化したが, 多発限局性脂肪肝は完全に消失した. 併用療法中からの飲酒制限と治療中のHCV-RNAの陰性化が, 多発限局性脂肪肝の著明な改善をもたらした要因であり, その背景として鉄代謝の改善が関与したと考えられる.