日本顔学会誌
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学術論文
髪型、肌色、髪色の調和についての研究
中川 登紀子
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2024 年 24 巻 1 号 p. 13-23

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抄録

近年、日本人女性の多くがヘアカラーリングを行うようになった。髪色は第一印象を大きく変えるが、肌色や髪型に相応しい髪色についてはほとんど研究がなされていない。本研究は、髪型・肌色と髪色の似合いの関係を明らかにすることを目的とし、2種類の髪型(ボブ・ロング)、7色の肌色(平均顔の肌色・低明度・高明度・赤み・黄み・低彩度・高彩度)、5色の髪色(4レベル・8レベルブラウン・8レベルナチュラル・12レベルブラウン・12レベルナチュラル)の組み合わせによる刺激を作成し、似合いの評価を行った。その結果、髪型や肌色に関わらず、4レベルが似合い、12レベルが似合わないと判断される傾向が示された。この似合いやすさの傾向に従った範囲内ではあるが、髪型や肌色も髪の似合いに影響を及ぼし、ボブや高明度の肌では8レベルは4レベルとほぼ同様に似合うと評価されることが示された。4レベルが似合うと評価されやすい要因には単純接触効果などが、また肌色が髪色の似合いに影響を及ぼす要因としては対比や調和などの配色による効果がはたらくと考えられる。

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