【目的】本研究は、異なる2種類の舌トレーニングが喉頭位置やデコルテ面積などの顔貌に変化を与えるかについて明らかにすることを目的とした。
【方法】スノーボールサンプリングを用いて40-59歳の女性を募集し、応募があった27名を研究参加者とした。研究参加者はランダムに2種類の舌トレーニング群(舌トレーニング用シートグミ使用:シート群、器具を用いたレジスタンストレーニング:レジトレ群)に分けた。研究参加者には事前・事後検査として、舌圧・喉頭位置・デコルテ面積を測定した。事前検査後の60日間、各家庭で1回2分程度の舌トレーニングを1日2回、毎日研究参加者に実施してもらった。事後検査はトレーニング終了翌日に行い、その際はトレーニングの実施状況も提出してもらった。分析は、各群における検査項目のトレーニング前後比較、また、シート群とレジトレ群の各検査項目の変化率について群間比較を行った。
【結果】トレーニングの前後比較では、舌圧がレジトレ群のみ有意に向上、喉頭位置は両群ともに有意に上昇、デコルテ面積はシート群のみ有意に減少した。各指標の変化率は両群間に有意な差を認めなかった。
【結論】舌トレーニングは相対的な喉頭位置を挙上させ、トレーニング方法によってはデコルテ面積を減少させるため、顔貌に影響を与える可能性がある。