2025 年 25 巻 1 号 p. 47-59
本論文では、対面コミュニケーションにおける顔の役割を扱った。論文の主な論点は、パーソナルスペース、多層リング鍵穴モデル、顔の属性、そして「場」(それは、存在論、意味論、関係論が生まれる基礎となり得る、個々の空間ではなく、複数の実体や力が交差する背景となる空間を意味)の共創である。これらの考えに基づき、「顔は対面コミュニケーションにおける共創の場である」というテーゼにアプローチすることを試みた。「場」は空間的なイメージが強いため、むしろ主観的な時間共有に必要な機能である。したがって、「場」はオンラインコミュニケーションを創生するためのメカニズムには適しない。また、対面での会議では、一人一人の時間の流れが異なるため、個々人が離れてしまうため、お互いにつながる可能性を先取りし、未来を予測する必要がある。
そこから生まれるのが「場」であり、自分と他者が共反応して初めて「場」が生まれると考える方が自然である。結論から言うと、顔は単に感情やメッセージを伝えるツールではなく、自分と他者との交流が繰り広げられるコミュニケーションの「場」とも言える。さらに、「場」としての顔の視点こそが、人と人との関わりをより深く理解し、対話や関係構築の可能性を広げる鍵になると確信する。