2017 年 67 巻 3 号 p. 131-138
本研究は,ごみ固形燃料(RDF)貯蔵槽において,細菌叢メタゲノム解析と実時間環境計測を微生物情報データに関連づけた細菌叢活性マッピング法を紹介する.メタゲノム解析により11種の好気性細菌,5種の通性嫌気性細菌,10種の偏性嫌気性細菌が同定された.RDFを10kg入れた20L断熱容器に,容器上部から蒸留水を投入した模擬実験から得られた温度と酸素濃度を,メタゲノム解析で同定された微生物の微生物情報データから得られた至適温度や至適酸素濃度と比較して,目視できない微生物の活性状態を可視化した細菌叢活性マッピングを作成した.このマップを利用してRDF堆積層において,微生物活動が火災に至る過程に与える影響を考察した.