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月経周期における嗅覚の閾値と快楽度を測定した。20∼26歳の女性19名を対象とし、基礎体温に従って、月経周期の月経期、卵胞期、排卵期、黄体期を確認し、それぞれの時期でアンドロステノン、フェニルエチルアルコール、バニリンに対して嗅覚を検討した。結果1)フェニルエチルアルコールに対する感度は月経期、卵胞期、排卵期、黄体期で差はなかった。アンドロステノンに対する感度は黄体期に比較して排卵期で高くなった、一方バニリンに対しては月経期と比較して排卵期で低くなった。2)快楽度は匂い物質によって評価点は異なったが、月経周期で差はなかった。以上匂い物質の種類によって月経周期に伴う閾値の変化に差がみられた。匂いに対する快楽度と閾値との間には相関はなかった。