一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第54回大会
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カルボキシメチルセルロース-ポリリシン分子複合体-水系の相図
皆川 寧子中村 邦雄
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p. 209

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抄録

CMC-PLys-水系のDSC曲線の降温過程では吸着水の結晶化ピーク(Tc)が−20℃付近に観測され、Wcの増加とともに高温側にシフトし鋭いピークとなった。さらに低温側にブロードなピーク(Tc′)が観測された。昇温過程では吸着水の低温結晶化による発熱ピーク(Tcc)が約Wc=0.5∼3.5g/gの範囲で観測され、Wcの増加とともに小さくなり、Wc>3.5になると観測されなくなった。続いて吸着水の融解ピーク(Tm)が観測された。TmはWcの増加とともに約−20℃から−5℃まで高温側にシフトした。またTmピークはWcの増加とともに鋭くなった。Tc, Tc′, TccおよびTmピークの形状は、CMC-水系およびPLys-水系より、CMC-PLys-水系の方が複雑になった。以上のことからCMC-PLysの吸着水の相転移現象はCMC-PLysの三次元網目構造に強く影響されることが分かった。

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© 2002 一般社団法人 日本家政学会
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