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北海道地方の衣生活文化に関しては、確実な結果が得られていない。それは明治維新による変革と、同時に始まった北海道開拓により本州·大陸からの移住に関係し、屯田兵制度により、更に移民の人口が増加して文化が変化したからである。移住に関しては法令·規則により開拓に必要な物資給与がされ、その中には麻の種、藍染料が含まれ、阿波地方の藍農家を洞爺湖付近の伊達地方に移住し藍作りが進められた。養蚕製紙製麻織機等に使用する事業場も創設され、繊維産業の開拓の先進になったのである。北海道の衣生活文化は移住によってそのまま生活文化も移動して範囲を広げ、更に道内の移動により、生活スタイルが確立していったのである。