一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第54回大会
会議情報
『雪国』にみる人間と衣服
楠 幹江
著者情報
キーワード: 雪国, , , ,
会議録・要旨集 フリー

p. 301

詳細
抄録

『雪国』(川端康成著)を対象に、文中に描かれている服飾関連の場面をとりあげ、人間と衣服の関係を考察した結果、以下の点で明らかとなった。1. 素材:駒子と絹、島村と麻を関連させている。江戸時代の名著『北越雪譜』が引用され、繊維および人における陰と陽、柔と剛が効果的に表現されている。2. 色彩:色彩表現は絵画的であり、雪の白、頬の赤、髪の黒といった対比表現が多くみられる。色彩感情も豊かであり、清少納言の『枕草子』が連想される世界が描かれている。3. デザイン:ほとんどが和服の世界であり、職業や気温との関係が考察された。

著者関連情報
© 2002 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top