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空調機内の微生物汚染の現状を明らかにすることを目的とし、空調機内で汚染されやすいとされるフィルターを試験対象としてフィルターに付着した菌種、空調機を運転した部屋の空中浮遊菌を測定した。付着菌調査として、運転を行った空調機フィルターを試料として、滅菌綿棒にてフィルター上部を擦り取り、滅菌水に溶かし移した。その液を培地に塗沫、培養した後、菌数と菌種の同定を行った。空中浮遊菌調査として、MASサンプラーを用いて測定をした。結果、フィルターの付着菌の分布と室内の空中浮遊菌の分布と異なる傾向が見受けられた。フィルターに含まれる抗菌剤の影響を受けたのか、菌種によって付着したフィルターの基質に対しての適応度の違いなのか検討がさらに必要と思われる。