一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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家政学者の社会貢献に関する研究(第1報)
~米国家政学の「社会貢献」についての文献的考察~
*山口 厚子鈴木 真由子吉井 美奈子
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p. 62

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抄録

【問題と目的】近年の教育改革や社会変化(少子化、就職難等)は、家庭科の授業時間減少、家政系大学の存続問題(卒業生の進路、学部改組等)を誘発し、家政学研究者、家庭科教員にこれまでにない困難を与えている。それを解決するには、家政学の存在意義を社会へ訴え、承認を得る必要がある。では、家政学の存在意義は何か、どのように社会へ訴え、承認を得ることが可能か。その追究のため、家政教育研究委員会のプロジェクトメンバーが、"家政学の存在意義は「社会貢献」にある"という視点に基づき、家政学会員を対象にした『(仮)家政学者の社会貢献(意識・行動)に関する実態調査』を計画中である。本報では、調査に先立ち、米国家政学の「社会貢献」について文献的考察を行う。【方法】米国家政学の最近の活動を示す参考資料を、1)社会貢献は (1)誰に対して行われるか、(2)到達目標は何か、(3)どのように(a.専門〔職〕、b.場所、c.活動)行われるか、2)どのような方法で家政学の社会貢献を社会へ訴えるのか、3)それを支える家政学会の活動は何か という点から分析する。【結果】米国家政学の社会貢献は、1)(1)個人,家族,地域社会に対して、(2)それらのwell-beingを目指し、(3)a.9つの専門分野、歴史的に発展した専門職、b.企業,大学,教育,エクステンションなど,c.情報公開活動などによって行われる。2)資格認定制度,社会へ訴えるための議論,社会政策に関わる活動などの方法がとられる。3)スコッツデイル会議(1993)以降、歴史・理論体系の整理・公表・定着推進などを実施していることが明らかになった。

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