一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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今日の幼児の行動と保護者の子育てに関する調査研究
關戸 啓子
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キーワード: 幼児, 行動, 保護者, 子育て
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p. 64

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抄録

 目的 家族形態の変化や社会・地域環境の変化に伴って,幼児のとる行動や保護者の子育てもかつてとは違ってきていることが指摘されている。そこで,現代の幼児にみられる行動の特徴や,保護者の子育てに対する考え方や態度の特徴についてその傾向を把握する目的で,幼稚園・保育所に対してアンケート調査を実施した。 方法 全国の幼稚園と保育所を無作為に選び,各700 施設にアンケート用紙を郵送した。調査は2000年8月~10月に行った。アンケートの内容は,山陽新聞社が岡山県内で行った同様の調査を参考に作成した。幼児の行動の特徴に関する質問項目が16,保護者の子育てに関する質問項目が19で,「思う」から「思わない」までの5段階で回答を求めた。 結果 アンケートの回収数は幼稚園406(回収率58.0%),保育所388(回収率55.4%)であった。有効回答数は,幼稚園389(有効回答率95.8%),保育所370(有効回答率95.4%)であった。幼児についての質問の中で最も多くの幼稚園・保育所が「思う」と回答した項目は,「夜ふかしなど夜型の生活リズムの子が増えた」であった。「やや思う」も含めると,8割以上の施設がこの点を指摘していた。他には,基礎体力がない,感情が抑制できない,自己中心的な子が増えたという項目に約7割の施設が「思う」「やや思う」と回答した。 保護者の子育てに関して,幼稚園・保育所ともに最も多く「思う」「やや思う」と回答した項目は,「子どもを受容することと,わがままを許すことの区別がついていない親が増えた」であった。9割近い幼稚園・保育所が回答していた。他の項目は,回答した幼稚園・保育所によって比較的意見がわかれており,一定の傾向はつかめなかった。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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