一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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脂肪細胞における脂肪合成に及ぼす茶カテキン類の効果
*望月 美也子長谷川 昇
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p. 69

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抄録

【目的】 茶(Camellia sinensis)は、近年、生理機能が多数解明され注目されている嗜好飲料である。その効果は多岐にわたっており、我々は既に、粉末緑茶が脂肪細胞の脂肪蓄積を阻害し、脂肪分解を促進する事を明らかにしている。本研究では、緑茶中の渋み成分である茶カテキン類に着目し、脂肪細胞における脂肪合成に及ぼす茶カテキン類の効果を確かめるために行われた。【方法】 3T3-L1細胞を培養し、細胞がConfluenceに達した時点でインスリンを培養液に加え、脂肪細胞へと分化させた。茶カテキン類は、インスリンと同時に添加した。分化の程度の判定は、細胞内中性脂肪(TG)濃度と分化マーカーとして知られるGlycerophosphate dehydorogenase(GPDH)活性の測定により行った。【結果・考察】 インスリンを添加すると、脂肪粒の形成が見られた。この際、インスリンと EGCGを添加したものは、コントロールと比べ脂肪粒の蓄積が抑制された。一方、インスリンと(+)カテキンを添加したものはでは脂肪粒形成が増強された。脂肪細胞の脂肪合成に及ぼす効果は、茶カテキンのうち、含有量の最も多いEGCGの効果と考えられる。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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