一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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中学生の心理的特徴におよぼす食生活の影響(第3報)
-女子短大生と女子中学生の欲求不満行動の比較-
*石村 哲代近藤 淑子
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p. 80

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抄録

目的:既報1)では、女子短大生の欲求不満行動は、食生活を構成する食餌、食習慣、食卓における家族関係(以下家族関係と略)の中、特に家族関係との関連性が高く、家族関係が良好な群において要求固執型、自責方向などの非攻撃的な反応を示す傾向にあることを報告した。本報では、ほぼ成人に達する年齢の短大生に比べて、未だ発達過程にある中学生の欲求不満行動はこうした家族関係がより顕著に影響しているのではないかとの見地から、欲求不満行動と食生活構成要素との関連性について両者間の比較を試みた。方法:調査時期は2001年1月(女子短大生)、2001年7月(中学生)、分析は女子短大生257名、女子中学生245名についておこなった。食生活調査は各構成要素に関わる10問から成る30問について、「はい」、「どちらともいえない」、「いいえ」の3段階で回答させ得点化した。欲求不満反応は、PFスタディ(成人用、児童用)により、3つの攻撃方向と3つの反応の型を掛け合わせた9つのパターンにより分類し、得点化して示した。結果:(1)PFスタディの結果、女子中学生の方が短大生よりも自我防衛型で他責方向の反応を強く示す傾向が認められた。(2)食生活の内容については、食餌内容、食習慣において両者間に差異が認められたが、家族関係では顕著な差は認められなかった。(3)『食卓における家族関係』は、女子中学生の欲求不満行動に顕著に影響し、家族関係良好群において攻撃的な反応といえる自我防衛型と他責方向とは負の、非攻撃的な反応といえる要求固執型と自責方向とは正の相関性が認められた。1)石村、近藤:日本家政学会第54回研究発表要旨集、p。162、2002。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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