一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-1-11
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女子大生におけるCaとMgの代謝に関する研究
*大野 美智子塩満 清華石橋 源次菊永 茂司
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キーワード: Ca出納, Mg出納, 女子大生
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抄録

[目的]日本人の無機質の所要量の策定に用いられている日本独自のデータは多くない。そこで、女子大学生を被験者にしてCaとMgの平衡維持量と所要量を出納法で算出した。[方法]女子大生16名を被験者にして、12日間の出納実験を行った。出納期間は、Znの所要量を検討することを主目的としていたので、低亜鉛食期(A)、標準亜鉛食期(B)、高亜鉛食期(C)の各4日間に3区分した。実験食中のZnとCa、Mgの実測値(mg/日)は、Aが4.1と527、169、Bが9.5と538、273、Cが17.9と651、309であった。出納区分ごとに食事、便、尿を採取して、そのCaとMgを原子吸光分光光度計で測定した。また、血中の無機質やフェリチン、HbA1c、肝機能の指標、尿中クレアチニン量を測定した。[結果]被験者の年齢の平均値は19.6歳、体格の平均値は身長159.8cm、体重55.3kg、BMI21.6、BMR1304kcal/日であった。尿中クレアチニンの平均値は901mg/日であった。また、測定した血中成分値は正常範囲内にあった。一方、実験食中のCaとMg含量(実測値)は、五訂食品成分表に基づく計算値に比べて、Caが0.88_から_1.03、Mgが0.91_から_1.03であった。Caの吸収率と体内保留量は、Aが42%、1.72 mg/kg/日、Bが22%、0.29 mg/kg/日、Cが_-_3.38%、_-_2.96 mg/kg/日、A~Cが22%であった。Ca平衡維持量と所要量は、Aが7.13 mg/kg/日、473mg/日、Bが6.78 mg/kg/日、450mg/日、Cが負の出納であった。Mgの吸収率と体内保留量は、Aが64%、0.69 mg/kg/日、Bが44%、0.58 mg/kg/日、Cが21%、 _-_0.59 mg/kg/日であった。Mg平衡維持量と所要量は、Aが1.72 mg/kg/日、114 mg/日、Bが1.88 mg/kg/日、126 mg/日、Cが負の出納であった。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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