一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-1-9
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各種食品に対する嗜好性の日韓比較
*中村 宗一郎遠藤 美智子中島 滋李 慶愛
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抄録

目的:ヒトの味覚は、摂食時の心理や生理状態、知識や経験などの環境的要因、人種や性別などの先天的要因、教育や生活様式などの後天的要因といった様々な要因が相互に深く関連していると考えられている。最近の若者の食べ物に対する嗜好性として、色は白く、フレーバーは穏やか、テクスチャーは柔らかいものを好むようになったと指摘されている。このような食の嗜好性はわが国特有の傾向なのであろうか?本研究では、54品目の食品を取り上げ、日本と韓国で好き嫌い調査を実施したので、その結果を報告する。方法:日韓両国において、日本では島根大学(松江市)及び文教大学(茅ヶ崎市)で、韓国では釜山教育大学(釜山市)及び慶尚大学(統営市)で、それぞれ学生を対象としたアンケート調査を実施した。調査項目としては、畜肉4種類、白身魚4種類、赤身魚6種類、塩乾魚3種類、貝類3種類、軟体魚2種類、海草2種類、豆類3種類(納豆を含む)、牛乳類3種類、麺類4種類(ソバ、うどんを含む)、野菜12種類(葉菜4種類、果実4種類、根菜4種類)、果物6種類、嗜好飲料2種類の合計54品目を選び、5段階評価法によってそれぞれの食品の好き嫌いの度合いを調べた。結果:日本からは120、韓国からは70名の回答が得られた。日本と韓国における各種食材に対する嗜好性を比べると、特に日本では、アジ、イワシ、貝類や海草類などの魚介類が好まれない食材の方に分類されたことが特徴としてあげられた。なお、本研究は、平成15年度JSPS/KOSEFによる拠点大学方式による交流事業によって行われたものの一部である。

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