一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-1
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広島県におけるワニ(サメ)料理
*奥田 弘枝岡本 洋子小園 佳美
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キーワード: わに, 広島県, 食文化
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抄録

【目的】本報告では、広島県備北一帯で食されている「ワニ」を取り上げて、ワニ料理ならびに広島県全域におけるワニ料理の調製状況を調べ、広島県におけるワニ食文化の一端を明らかにする目的とした。【方法】ワニの調理法およびワニ食の背景については、広島県比婆郡口和町に在住の女性3名(50歳代_から_70歳代)に、ワニ料理を再現してもらい、聞き書きした。広島県内の14地域171名を対象に、魚介類の食され方について質問紙調査を行い、ワニ料理の出現を調べた。【結果】(1) 広島県比婆郡に在住の女性3名にワニ料理 (ワニの刺身・ワニの湯引き・ワニの煮こごり・ワニの南蛮漬け・ワニの巻きずし・ワニめし等) を再現してもらい、調理法ならびに食の背景を記録した。聴き取り調査によると、備北地方は、海に遠い内陸部であるため、流通手段や冷凍技術の発達していなかった時代には、「ワニ」は刺身にできる数少ない魚であることがわかった。また、ワニ肉には、浸透圧調節のために多量の尿素が含まれており、死後、この尿素がアンモニアに変化し防腐剤の役割するために、常温で2週間くらいは保存できたといわれている。(2) 広島県内14地域で質問紙調査を行った結果、総記載料理数4,685であり、そのうち、ワニ料理の出現は三次市で9件、庄原市で5件、甲奴郡上下町で2件みられ、いずれも備北周辺であり、他の地域ではみられなかった。さしみ(10件)、湯引き(4件)、煮こごり(1件)、フライ(1件)で食されおり、日常食(15件)、正月・祭りなどの晴れ食(8件)であった。さしみの辛みとしては、しょうが(7件)、わさび(4件)、なし(1件)であった。

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