一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-48
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高齢女性の化粧行動に関する研究
-女子学生との比較-
*庄山 茂子石川 麻梨栃原 裕中川 早苗
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抄録

目的 近年、化粧は表現メディアとしてだけでなく心理面に及ぼす影響からも注目されている。本研究は、高齢女性の化粧に着目し、化粧の実態と化粧が自己概念に及ぼす影響について調査をもとに明らかにすることを目的とした。さらに、女子学生と比較し、世代間の違いについて明らかにした。
方法 (1)調査概要 1)調査場所:長崎県 2)調査対象者:高齢女性60から83歳173名、女子学生18から23歳192名、3)調査方法:質問紙調査 高齢女性:郵送法 女子学生:配票留置法、4)調査時期:2004年5月から7月、(2)調査内容:化粧行動の実態、化粧前と化粧後の顔の満足度、化粧前と化粧後の自己概念の変化 (3)分析方法:単純集計、平均値の有意差検定(t検定)、主因子法による因子分析
結果 化粧行動については、高齢女性の約9割が日ごろ化粧を行っていた。高齢女性の化粧にかける時間は、女子学生よりやや短かった。両グループとも化粧をすることで、素顔の満足度より化粧後の満足の程度は上がっていた。その傾向は、高齢女性の方がやや高かった。両グループとも化粧をする目的は、心理的効果のためで、化粧により自己概念のイメージも変化した。特に、高齢女性は、身だしなみとしての化粧をしていて、外見的な魅力を引き出すだけでなく、内面的な気品や行動面に影響していることが推察された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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