一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Aa-5
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各種ミシンシームの笑いに関する研究
*島崎 恒蔵松梨 久仁子
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抄録

目的  縫製品における「縫い目笑い」は、主としてミシン縫製張力設定に起因する欠点である。縫い目笑いに関しては、すでに筆者ら[1]は縁かがり縫い(オーバロック縫い)シームについて報告している。本研究においては、もっと広範にニット布を種々のミシンにより縫製する場合の「縫い目笑い」の発生傾向を把握するとともに、縫製において重要なファクターである伸長性にも留意して、縫製への応用を検討した。方法  各種ミシン(ステッチ形式:101、301、401、503・504)によって様々な条件下で、ニット布(インターロック編、綿100%)を縫製した。なお本研究では、本縫いミシンについては差動送りミシンを採用した。これらによる縫製試料を一定張力条件のもとで縫い目を割って、笑いの発生傾向を調べた。結果と考察  シーム笑いは、シームにおける縫い糸消費長と密接な関係がある。そこで便宜的に単純なステッチの長方形モデルを考え、このモデルの縫い糸消費長と実際の各シームから採取した縫い糸消費長の差をシーム笑いの重要な変数と考えた。実際に単環縫い、二重環縫い、本縫い、オーバーロックの各シームにおいて、縫い糸消費長の差から算出したこの変数は、シーム笑いと密接な対応関係があることが確かめられた。特にニット縫製によく用いられるオーバーロックミシンでは、条件設定に注意を要する。これらの結果をもとに実際にニットシャツを縫製する場合に、シームの伸長性に考慮しつつ、笑いを防止するための方策を考察した。1)綾 久仁子、島崎 恒藏、嶋田 敦子:繊消誌、Vol.33、No.1、47(1992)

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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