一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Ba-1
会議情報

男性用カッターシャツのサイズ選択方法に関する研究
*内藤 章江冨田 明美福田 康明
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】現在、男性用のカッターシャツのサイズ選択は、頸囲と裄丈寸法で行われている。しかし、これらの寸法で選択されたシャツを着用した場合、頸部の拘束感や不快感を訴える人々が多い。これまで筆者らは、カッターシャツを着用者の頸部形状で選択する必要性を指摘してきた。本研究では、容易な方法で頸部を計測し、着用者の頸部形状を反映した着心地の良いカッターシャツの選択方法を提案することにした。
【実験及び解析方法】被験者は22_から_24歳の男子大学生23名とし、シェル法、デジカメ計測法、非接触三次元計測法を用いて頸部形状を採取した。頸部体表面は平面展開し、FNPとBNPを結んで形成される直角三角形の傾斜角度により被験者を分類した。さらに、既製カッターシャツカラーの形状及びFNPとBNPの傾斜角を取り入れたカラーを設計し、実験衣を作製した。これらの動作機能性を評価するために、頸部周辺の衣服圧測定及び筋電図を導出するとともに拘束感などの主観評価を行った。
【結果及び考察】23名の男性被験者をFNPとBNPの傾斜角により分類したところ、大・中・小に3分類された。各グループから代表者を選出し、着用実験を行った結果、既製カッターシャツのカラーパターン形状は、頸部動作時に頸部を圧迫し、動作が困難になる傾向が見られた。一方、FNPとBNPの傾斜角度から導き出したカラーパターンでは、頸部への圧迫は抑制され、動作を妨げないことがわかった。これより、FNPとBNPの傾斜角は頸部形状の特徴をよく反映していることがわかった。従って、着心地の良いカッターシャツを選択するためには、従来の頸囲と裄丈にFNPとBNPの傾斜角を計測項目として追加する必要があると考えられる。

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top