一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-16
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食生活に対する知識と意識の変化
-保育士養成校の学生の場合-
*宮田 恭子冨永 典子
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抄録

【目的】保育士は人的環境として子どもの生活と発達を援助することが求められ、生活習慣の1つである「食」についても正しい知識をもって行動する必要がある。本研究では、保育士養成の演習科目である「小児栄養」の授業を通じて、保育士資格取得を目指す学生の食生活に対する知識と意識の変化について検討した。【方法】2003年度および2004年度に、保育士資格取得を目指す学生(2003年度:163人、2004年度:155人)に対し、それぞれの年度ごとに、演習科目である小児栄養の第1回目講義時と最終講義時に食生活に関する知識と意識についてアンケート調査を行った。なお小児栄養の授業は講義、パネルシアターによる幼児向けの食教育教材作成実習、調理実習を組み合わせて行った。【結果】両年度とも、3色食品群や6つの基礎食品のように「食品を栄養によって分類できるか」という設問に関して「できない」あるいは「知らない」と回答した学生が、講義前の約68%から講義後には約30%へと減少していたが、実際の食事の場で、「適切なおかずを選択できるか」や「偏りのない食事をしているか」との設問に「できる」と回答した学生はいずれも30%程度にとどまっており、得た知識を実生活に生かすことが難しい現状が明らかとなった。しかし、食生活に関する意識の変化を認める学生が2004年度では93%に上っており、幼児向けの食教育教材作成や調理実習を通して、適切な知識の獲得と自身の食生活の見直しが必要であると実感していることがうかがえた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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