一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ca-8
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緑色系,黄色系キウイフルーツならびにベビーキウイ果実におけるクロロフィル,ルテインおよびβ-カロテン濃度の比較
稲垣 麻奈美内田 七恵*西山 一朗
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抄録

[目的]キウイフルーツやサルナシ果実に含まれるクロロフィルやカロテノイドは,果肉の特有の色調に寄与するばかりではなく,ビタミンや抗酸化性物質などの機能性成分としても重要である.本研究では,緑色系および黄色系キウイフルーツならびにベビーキウイ果実に含まれるこれらの色素を定量し,比較を行った.[方法]緑色系ならびに黄色系キウイフルーツとしてヘイワード種ならびにホート16A種(ゼスプリ・ゴールド)を,また,サルナシとしてAnanasnaya種(ベビーキウイ)を用いた.いずれも市販の適熟期果実を剥皮し,可食部から冷アセトンにより色素を抽出した.この試料を,ODSカラムを用いたHPLC法により分析し,それぞれの色素を定量した. [結果]それぞれのクロロフィル,ルテインおよびβ-カロテン濃度は,1.58 mg/100g,402 μg/100g および84 μg/100g(ヘイワード),0.07 mg/100g,155 μg/100g および66 μg/100g(ホート16A),3.88 mg/100g,762 μg/100g および285 μg/100g(Ananasnaya)であった.すなわちホート16A種では,いずれの色素濃度もヘイワード種に比較して低く,一方Ananasnaya種ではいずれも高いことが示された.この結果は,ベビーキウイがルテインやβ-カロテン等の優れた供給源であることを示した.また,ヘイワード種の個々の果実に含まれるクロロフィル,ルテインおよびβ-カロテンの濃度には,相互に強い正の相関性が認められた.この結果より,果肉の緑色が濃い果実ほど,ルテインやβ-カロテン等のカロテノイドも豊富であることが示された.

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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