一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Ca-9
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食品に対するハーブの抗酸化性
*人見 英里石丸 洋子日吉 恵美子角橋 明美安藤 真美山本 展久高野 済望月 聡
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キーワード: ハーブ, 抗酸化性
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抄録

【目的】近年、日本においても各種ハーブが広く市販されるようになってきた。ハーブの機能性を探るという目的で、演者らはこれまでにも様々なin vitro系においてハーブの抗酸化性を評価してきた。本研究では、食品モデルにおけるハーブの抗酸化性について検討を行った。<BR>【方法】サンプルとして大分県で収穫された76種のハーブのエタノール抽出液及び14種類の輸入ハーブの乾燥粉末を用いた。抗酸化性の評価のために、ハーブのエタノール抽出液を用いてケミルミネッセンス法によってAAPHラジカル消去活性を測定した。また、食品に対する応用として、食用に供される乾燥ハーブ11種を選び、大豆油に5%ハーブを添加したハーブオイルを作成し、50℃でインキュベーションし経時的にTBA法により脂質過酸化の度合いを測定した。さらに、これまでの研究結果から強い抗酸化性を示したハーブ3種を選び、1%乾燥ハーブ添加モデルケーキを作成し、60℃にて酸化させ過酸化の度合いをPOV法にて測定した。<BR>【結果】AAPHラジカル消去活性を測定したところ、76種類のハーブのうち、62種類のハーブがコントロールと比較して50%以上のラジカル消去活性を示した。ハーブオイルでは、スウィートマジョラム、スウィートバジル、ディルが強い抗酸化活性を示した。モデルケーキにおいては、スペアミント、スウィートバジル、スウィートマジョラムの順で強い抗酸化活性を示した。<BR>以上の結果から、ハーブ類には抗酸化性を示すものが少なくなく、食品に対する抗酸化剤としての応用が期待できることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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