一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Da-1
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環周防灘四県の食生活調査
-喫食状況から見た郷土料理の変遷-
*安藤 久子堀井 正治
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抄録

〈B〉目的〈/B〉 かつて行事の日を含めて日常喫食されていた地域を代表する郷土料理の現在における喫食や認識の程度を明らかにして,地域の食生活の特徴と変遷を掴む事を目的とする。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 自作の食生活調査質問票を作成〈SUP〉1)〈/SUP〉して,周防灘をとり囲む山口・福岡・大分・愛媛四県の県都と中核都市にある県立高校と公立中学に通う2年生の家庭を調査対象として食生活調査を行った。調査票の配付・回収は学校を通して行い,2_-_3週間の留め置き法で平成15年11月から12月に配付し冬休み明けに回収を完了した。各県の郷土料理は図書文献等を参考に山口県81品目,福岡県121品目,大分県95品目,愛媛県100品目を抽出し,これらの認識の程度,喫食程度と時期,行事食と日常食の区別等を問うた。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 有効回収部数1637部,有効回収率78.4%であった。今回は全397品目から米や小麦を原材料とした料理を主として報告する。四県共通質問項目「だんご汁」を『よく食べる』と回答した率が20%を超えたのは,福岡県柳川地区(27.0%),大分地区(35.1%),大分県臼杵地区(20.3%)であった。二県以上を対象にした設問の「ぼたもち」を『よく食べる』『時々食べる』を合わせた喫食率は95.2%(愛媛県大洲地区)から75.0%(大分臼杵地区)で現在でもよく喫食されていた。現在喫食されていないと考えられる料理を『まったく知らない』と『知ってはいるがほとんど食べない』の選択率を加算したとき90%を超える項目とすると、全県で231品目(58.2%)が該当した。その他に、地域の特色を持つ料理法や食材を用いた郷土料理の喫食状態と,最早知られなくなったものについて報告する。〈BR〉文献 1)堀井ら;第51回日本栄養改善学会学術総会講演集,p.438(2004)

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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