一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Da-10
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地域生活文化と連携した教育方法改善に関する研究III
-調理学実習における製品企画授業の検討-
*粟津原 理恵河内 久美子可部野 和子
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抄録

【目的】短大が地域の一員として存在するために、短大生の地域に対する意識向上につながる授業を構築する意義は大きい。そこで、本学の調理科学実習で行ってきた菓子の製品企画とその製作・評価を取り入れた授業を、短大生の地域文化の認知・理解および意識の向上につながる授業へと展開するために、金沢の地場産業のひとつである金箔を取り上げ、食生活での新たな付加価値を見出すための製品企画授業の実施について検討した。【方法】本研究は本学食物栄養専攻2年生の中から被験者としてワークグループを作り実験を行った。被験者を教員の助言を伴わないグループと、定期的に実施条件と教員の助言を加えたグループに分け、それぞれの課題への取り組み方について比較した。実施期間は1ヶ月とし、1週間ごとに行動内容と金箔に関する調査結果をレポートにして提出する事とした。最終的に各グループの成果発表を行った。【結果】地域には金箔の資料館や専門店などがあるが、助言を加えないグループでは情報入手手段として終始インターネットを多用し、レポートや発表の内容に関しても地域文化に対する各自の意見が反映された報告が少なかった。これらを踏まえて助言を行ったグループでは、調査後、食用金箔使用食品の企画と製品試作、プレゼンテーションへと展開する事ができた。これにより金箔に対する理解と意識が向上する傾向がみられたが、これらの取り組みには長時間を要し、1ヶ月間での実施では学生への負担が大きい。それにはカリキュラムなどを含めた授業時数の検討を要するが、短大が地域活性化に貢献するためにも、製品企画授業を通して食生活に地域文化を取り入れることは効果的であると考える。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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