一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Da-3
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LDL酸化における脂質、タンパク質の酸化の相対反応性
*小城 勝相
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抄録

[目的]LDLのタンパク質部分のアポBは血漿のラジカル反応でαートコフェロール(E)と同程度の速度で分解する。しかもアポBの分解物は正常ヒト血清に存在し、ラジカル反応生成物である会合体と分解物の合計は動脈硬化指標として有効である。今回はラジカル反応におけるアポBと脂質の相対反応性を検討した。[方法]LDLや血漿を銅イオンで酸化し、アポBの残存量は、4%-SDS-PAGEで、粒子径はKondoらのnon-denaturing gradient (2-10%) PAGEで測定した。[結果]単離したヒトLDLを銅イオンで酸化すると、まずEが減少し、Eが10_%_以下になると、234 nmの吸収が増加し始め、512 kDaのアポBがそれに対応する速度で減少した。酸化反応の進行とともに、LDL粒子径は減少した。血漿を銅イオンで酸化した場合、最初から、E、アポB、粒子径が同じように減少した。以上のように、酸化とともにLDL粒子径は減少する。今回の結果から、small dense LDL生成に酸化反応が関係することが示唆される。本研究は(奈良女大)日高篤子、井上佳奈、沓掛佐保子、足立資子、角田百合との共同研究である。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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