一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-2
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広島県における江の川水系の魚料理
*岡本 洋子奥田 弘枝小園 佳美
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キーワード: , 江の川, 食文化
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抄録

【目的】本報告では、広島県県北に水源を発している江の川流域で採取される魚を取り上げて、その種類、調理法、食されている背景等を調べ、広島県における川魚の食文化の一端を明らかにする目的とした。【方法】江の川水系の川魚アユ、ギギ、オイカワ、コイ等について、広島県三次市在住の男性2名(40歳代・70歳代)に、それらの料理を再現してもらい、聞き書きした。広島県内の14地域171名を対象に、魚介類の食され方についてアンケート調査を行い、川魚の出現状況を調べた。【結果】アユ、ギギ(ギギュウ)、オイカワ(ハヤ、ハエ、寒ハエ)、コイについて、若鮎の姿焼き、鮎寿司、鮎の背越し、落ち鮎の甘露煮、ギギの照り焼き、オイカワの甘露煮、鯉こく、鯉の刺身等の調理法を記録した。川魚は季節によって成分・テクスチャーが異なり、その特質を生かした調理が行われていた。広島県内14地域でアンケート調査を行った結果、総記載料理数4,685であり、川魚としては、アユ(70件)、コイ(18件)、オイカワ(9件)、ヤマメ(4件)、ギギ(3件)、フナ(2件)、ウグイ(1件) 等が出現した。川魚の出現頻度の高い地域として、三次市(38件)、上下町(23件)、広島市(23件)、庄原市(9件)が挙げられた。アユでは、塩焼き(47件)、甘露煮(7件)、背越し・刺身(4件)、鮎寿司(3件)、うるか(3件)等で食さており、日常食(67件)、晴れ食(8件)であった。コイでは、鯉こく(8件)、刺身(5件)、甘露煮(2件)等、オイカワでは、甘酢漬け(3件)、甘露煮(3件)、南蛮漬け(2件)等、ギギでは、から揚げ(2件)、照り焼き(1件)で食されていた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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