一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-20
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拡散係数の濃度依存の二元収着拡散理論による解釈
*橋場 浩子小見山 二郎仲西 正牛腸 ヒロミ
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抄録

目的 これまで、呈味成分の食材中の拡散については多くの報告があり、その拡散係数を算出しているものもあるが、それらは全濃度に亘って拡散係数を一定とする、Fickの法則に基づいているものが殆どで、説明は全く与えられていなかった。そこで文献に報告されている拡散係数の濃度依存1) 2)が二元収着拡散理論により解析できることを明らかにする。
方法 NaClのFickの拡散係数Dを縦軸に、横軸に濃度Cをとると、特定の濃度でピークが見られる結果を2つ選んだ。このようなDの変化に二元収着拡散理論式をあてはめてコンピュータ解析し、2種の拡散種の平衡に関するパラメーター、α、吸着座席濃度、S、熱力学的拡散係数、DT(p)、DT(L)を求める。
結果 エメンタールチーズを、30%食塩水に4℃で48時間浸漬した場合について、α=12、S=0.45 mol/kg、DT(L)=1.0×10-6 cm2/s、DT(p)=0.52×10-6cm2/sが得られた。豚肉を食塩水に浸漬した場合についても同様に、濃度依存が二元収着拡散理論により、解析できることが明らかになった。
文献 1)Pajonk, A. S. and Andrieu, J.: J. Food Eng., 60, 307-313. (2003) 2) Guihenneuf, T. M. and Gibbs, S. J.: J. Food. Eng., 31, 457-471. (1997)

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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