一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ea-4
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大麦 β-グルカンの乳化およびゲル化特性
*香西 みどり高橋 恵子杉山 宏椿 和文石川 京子畑江 敬子
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抄録

[目的] 大麦β-グルカンはグルコースが(1→3)及び (1→4)結合した可溶性多糖類であり、血中コレステロール値の低下や免疫増強作用があることが報告されている。本研究では大麦β-グルカンの調理への応用として油脂との組み合わせに着目し、市販の乳化剤との比較においてその乳化特性を調べ、さらに添加材料の影響、ゲル化特性についても検討を行った。
[方法] 試料は大麦β-グルカン(旭電化工業)、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン)、ペンタグリセリンステアリン酸エステル及び酵素分解レシチン(太陽化学)を用いた。各試料(0-0.25g)に食用油10ml、水10mlを加え6000rpmでホモジナイズして乳化液を調製した。目盛付試験管に移し、_丸1_20℃で静置し、一定時間ごとに乳化層液量を測定して全液量に対する割り合を乳化力、_丸2_80℃30分間加熱後水冷し、乳化層液量を測定し全液量に対する割り合を乳化安定性として測定した。また水相を4%酢酸10ml、NaCl2gを溶解した水10mlとして同様に乳化液を調製し、乳化力を測定した。水・油・β-グルカン混合物の貯蔵弾性率(G’)をレオログラフゾルにより測定した。
[結果] 1.25%大麦β-グルカンとソルビタン脂肪酸エステルは48h後の乳化力がほぼ100%と他より高く、低濃度添加では後者の方が乳化安定性と共に値が高かった。1%大麦β-グルカン添加エマルションでは酢酸により乳化力が増加し、NaClにより減少した。水・油・β-グルカン混合物のG’の値から油があるとゲル化し易いが水と油が半々のとき最もゲル化し易く、また20℃の方が5℃より水と油の比によらずゲル化し易いことが示された。大麦β-グルカンの乳化及びゲル化特性が他の乳化剤やゲル化剤と異なることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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