一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ea-6
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粥の冷凍保存を可能とする保存条件の検討
*河原崎 志保乃貝沼 やす子
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抄録

目的 粥は咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者の主食として重要になってきており、家庭等においても日常的に粥を調製する機会が増えてきている。本研究では、粥調製における簡便化の方策として粥の冷凍保存を試み、保存温度、保存形態を変えて検討し、最良の保存条件を明らかにすることを目的とした。方法 冷凍保存粥は、粥メーカー((株)象印社製)を用い、8.5分粥相当に炊きあげた粥を直ちに秤量、成形し、冷凍保存した。保存条件は温度については-20℃または-40℃、保存形態についてはシート状または塊、重量は100gまたは200gであり、これらを組み合わせ、計8種類の保存条件を設定した。シート状は、ジッパー付の冷凍保存用袋を用い、粥をシート状に薄くのばしたものであり、塊は、冷凍保存用容器に粥を入れたものである。これらを実験直前に電子レンジで解凍したもの(60℃以上)を試料とし、破断強度測定、テクスチャー測定、粥飯粒の形状観察、官能検査などを行った。結果 テクスチャー測定では殆どの冷凍保存粥が炊きたての粥と比べて、かたさ応力、付着性が大きくなっていた。この変化の程度には冷凍保存時の最大氷結晶生成帯通過時間が関係していた。粥飯粒の形状観察では-20℃・塊の粥飯粒の表面が崩れている様子が観察され、_-_20℃・塊・200gの粥には崩れた粥飯粒片が多く見られた。保存条件別では、-20℃より-40℃、塊よりシート状、200gより100gの方が炊きたての粥に近い性状であった。官能検査では多くの冷凍保存粥において粒の形が残っていず、粘りが強く、さらさら感がないと評価されたが、-40℃・シート状・100gは炊きたての粥に最も近い性状であった。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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