一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-22
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揚げ調理におけるオイルスプレーの可能性の検討
*戸田 美穂杉江 明子小野澤 葉子松永 尚真本間 健
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抄録

【目的】近年の脂質摂取量の増加は著しく、平成14年厚生労働省国民栄養調査結果では脂質エネルギー比は25.1%であった。アメリカ糖尿病協会ではFat Free Cookingとして調理用オイルスプレーを糖尿病の患者に対して推奨している。油の使用量を減らすことができるため、オイルスプレーを使用した揚げの調理方法は脂質摂取量削減の手段として有効と考えられる。そこで本研究では、素揚げとフライ調理においてオイルスプレーが従来の揚げ調理方法の代替方法となることを検討した。
【方法】素揚げはじゃがいも、フライは豚ヒレ肉を素材とした。それぞれ従来の揚げ調理方法で調理したもの、オイルスプレーを使用して電子レンジで調理したもの、油を使用せずに電子レンジで調理したもの、計6種類の試料について脂質含量、水分含量、破断特性を測定し、また官能検査も行った。官能検査は外観、食感、香り、味、総合的なおいしさについて2点比較法を採用した。パネルは官能検査に関する実習を終えた日本女子大学食物学科の学生10名とした。
【結果】従来の揚げ調理方法で調理したものはオイルスプレーを使用して調理したものより、脂質含量が多く、水分含量が少なかった。素揚げでは外観、食感、味、総合評価においてオイルスプレーを使用したものが、油を使用しないものより好まれ、味においては従来の揚げ調理方法で調理したものよりもオイルスプレーを使用したものの方が好まれた。フライでは有意な差は見られなかった。以上より、素揚げとフライ調理においてオイルスプレーが代替調理方法となることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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