一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Fa-6
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くつろぎ空間に求められる明るさと雰囲気 第2報
-1人でくつろぐ場合と2人で会話をする場合-
*石田 享子西村 麻希井上 容子
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キーワード: くつろぎ, 明るさ, 会話, 行為
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抄録

【目的】本研究は、くつろぎ空間に適した明るさの範囲とその明るさを決定する要因の影響を明らかにすることを目的としている。くつろぐための行為には視作業の有無など幾つかのパターンが想定される。そこで、本報では、1人でのくつろぎと2人で会話をするくつろぎの場合について行い、照度や満足度評価について検討する。【方法】実験室、条件、評価項目、実験の流れは前報と同様である。前報の1人で何もしないでくつろぐ場合に、2人で会話をしながらくつろぐ場合を加えて行う。2人で会話をする場合は、実験室にソファ2脚とテーブルを置き、教示は『2人で会話をしながらくつろぎ空間にふさわしい明るさに調光して下さい』とする。【結果】くつろぎ空間の満足度で、「満足,やや満足」と評価した被験者の割合は、光天井で1人の場合17%、2人の場合33%、光天井以外の条件では行為の違いによる評価割合の差はなく50_から_83%の間に分布し、光天井に比べて高い割合である。また、「満足,やや満足」での平均照度は、光天井で1人の場合29lx、2人の場合82lxだが、光天井以外の条件では1人の場合14_から_21lx、2人の場合21_から_30lxであり、光天井では行為による設定照度の違いが他の条件より大きい。さらに、1人と2人の場合の設定照度を比率(2人の場合の設定照度/1人の場合の設定照度)にすると、どの条件でも1以上となり、2人の場合の方が明るく設定されている。この原因は、2人の場合は相手の表情を読み取るなど1人の場合とは異なる要素が必要となること、1人と2人の場合では室内平均反射率が僅かに異なることが考えられる。よって、今後は室内平均反射率も配慮しながら、会話以外の行為について検討する。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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