一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-24
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殺し方と輸送方法が異なる貯蔵イカ筋肉のATP消失と筋肉透明度の低下
*久木野 睦子久木野 憲司
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抄録

【目的】イカ外套膜筋肉の透明度はイカ肉の新鮮さを示す特徴である。また、魚介類の鮮度指標として広く使用されているK値はATPの死後消失を測定したものである。本研究ではイカの殺し方および輸送方法と温度がイカ筋肉組織の死後変化に及ぼす影響を明らかにするために、筋肉中ATP関連物質の消長と外套膜筋肉の透明度低下とを調べた。【方法】長崎県近海で捕れた体重約1kgの活きの良いアオリイカを用いた。殺し方と輸送方法の異なる4つの試料イカの外套膜を取り出して5℃の冷蔵庫にて保存し、経時的に外套膜の透明度とATP関連物質の量を調べた。ATP関連物質はHPLC法にて測定した。透明度の測定は、黒十字を描いたシャーカステン上に外套膜を置き、外套膜を透かして見えた黒十字をデジタル撮影(617万画素)して黒濃度を画像解析ソフトにて分析した。【結果】筋肉中ATP量の測定結果では、即殺後に輸送したもの及び活魚にて輸送したものは冷蔵保存後6時間の時点でもATP量のレベルは50_%_程度を維持していたのに対し、漁獲後すぐに冷海水に入れたものは即座に、冷蔵輸送したものは保存後6時間以内にほとんどのATPは消失していた。また、イカ肉の透明度は残存しているATP量とよく符合した変化を示しており、死後に進行するイカ筋肉の透明度低下のメカニズムにATP量の変化が関係している可能性を想像させた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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