一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ga-6
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建築外皮における微生物学的汚染の分析
*林 美木子田中 辰明
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キーワード: 建築外皮, カビ, 藻類, 汚れ
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抄録

目的 建築外皮の汚れは単に生活環境を改善するだけではなく衛生的環境を改善し、さらに建物の耐用年限を延長するためにも重要だと考える。汚れ、特に建築外皮における汚れの研究は数少なく充分であるといえない。本研究では建築外皮に付着する微生物学的な汚染を分析し実態を知り、汚染を招く環境と汚染機構の解明に寄与することを目的とする。本研究ではカビと藻類を対象微生物とした。方法 _丸1_建築外皮の汚れている部分を鋭利な刃物で削り取る。(試料の状態は粉末または細片)_丸2_顕微鏡観察を行う(40_から_200倍)。_丸3_カビ及び藻類の培養は、カビの場合、試料をPotato Dextrose Agar培地に接種し、7_から_10日間25℃で培養した。また藻類は、試料を無機塩類を主成分とする藻類選択培地に接種し1ヵ月培養した。検出されたカビ及び藻類の同定は形態学的方法を用いた。結果 建築外皮に付着した汚れから複数の種類が分離同定された。外観の汚れが目立たない場所からも、培養後カビや藻類が検出された。光・熱・湿気・空気の流れなど外的環境が微生物の生息に影響する。また外壁の断熱状況は外的環境を左右するため微生物の生息に影響すると考えられる。建築資材・壁の塗料を劣化させる有害性のあるカビが検出された。カビが生息するところに藻類も生息し、外観的な汚染原因にもなる。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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