一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-26
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保存小豆から調製した小豆粉の性状と食味について
*村上 知子舘岡 良枝
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キーワード: 小豆, 小豆粉, 保存, 性状, 食味
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抄録

目的 長期保存した小豆は、加熱により硬軟の煮えむらが生じやすいことが知られている。本研究では大豆の加工品であるきな粉同様、小豆を製粉し、小豆粉としての利用を図るために小豆粉の調製法について検討し、あわせて小豆の新古が小豆粉の性状や食味に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。方法 小豆は平成11年北海道十勝産エリモショウズ(5±2℃、家庭用冷蔵庫で5年保存)及び平成16年同産同品種を用いた。小豆粉の調製は、小豆を乾物のまま炒って製粉したもの(A法)と、予備加熱処理後に炒って製粉したもの(B法)の2方法で試みた。小豆粉の品質特性は、水分率、色度、顕微鏡観察、官能検査により比較した。結果 小豆粉の調製条件は、A法の場合、小豆の新古ともに炒り時間が10分、ミキサーによる粉砕時間が2分、B法の場合、保存豆は45分、新豆は30分予備加熱後、15分間炒り、2分間粉砕したものが最適であった。小豆粉の水分率はA法がB法より少なく、色度はA法の方が赤味度が低く、黄味度が高かった。同じ調製条件の保存豆と新豆では、色度及び色差とも顕著な差はみられなかった。小豆粉粒子は光学顕微鏡下で、A法は小豆粉細胞が強靱な細胞膜に囲まれた状態を呈し、B法は細胞膜の損傷や細胞外へ溶出した澱粉が観察できた。新豆は保存豆に比べて、澱粉粒子がわずかに大きかった。B法を用いて、小豆の新古の違いが小豆粉の品質に及ぼす影響について官能検査を行った結果、保存豆は色が濃い(p<0.001)、新豆はきめが細かい(p<0.001)・舌ざわりがよい(p<0.05)と識別されたが、風味や総合的な評価は有意差がなく、保存豆も有効に利用できることが認められた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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