一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2Ha-6
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高校生の携帯電話の使用と家庭でのルール作りの実態
*高橋 久美子
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抄録

目的 携帯電話は手軽で便利な情報通信手段であり、世代や地域を越えて急速に普及し使用されるようになった。しかし、問題点も多く、子どもたちに及ぼす悪影響が指摘されている。高校生の携帯電話の所持率は高く、その功罪や使用のし方について家庭でどのような指導や話し合いがなされているかを明らかにすることは、学校や地域との連携のあり方を考えるうえでも必要である。本研究では、親と子の双方から携帯電話の使用について家庭でのルール作りの実態に焦点をあてて調査し、課題について考えた。 方法 調査は、2003年10月に北九州市内の公立高校1校を選び、2年生全員とその保護者を対象に行った。高校生は学校で実施し、保護者については封をした調査票を生徒に持ち帰ってもらい、記入後に郵送してもらった。回収した保護者の調査票は175部あったが、母親以外の記入者は少数であったので分析から除いた。分析に用いたサンプルは母親141人、男子生徒121人、女子生徒185人である。男子と女子の割合は4対6であり、母親票についても高2の子どもの男女比は同様であった。 結果 携帯電話が2個以上ある家庭が7割、高2の子どもが持っている家庭は8割を超えている。男子の6割と女子の7割が親に使用料金の全額を支払ってもらっている。携帯電話のプラス面よりもマイナス面を数多く意識し、使い方について取り決めを作っているという母親は8割いるのに対し、親と取り決めがあるという男子は2割、女子は5割以下である。高校生に必要な規範意識についても親子の間でずれが大きい反面、先生や親に反抗するのはよくないと考えている者は母親でもそれぞれ4割と2割程度である。

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