一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ja-6
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地域生活の相違にみる長寿との関係
高間 由美子*佐藤 八千子
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抄録

目的:厚生労働省2003年3月「2000年市区町村生命表」の公表で、男性長寿1位が岐阜県郡上市和良町(旧 郡上郡和良村)80.6歳、2位が吉城郡国府町80.4歳であった。山村地帯と田園地帯の環境の違いから地域生活の共通点や相違点を見出し、健康長寿との因果関係を探る。生きがいとともに満足感のある暮らしが、高齢者のQOLの向上につながるからである。方法:65歳以上の高齢者を対象に留置き法による質問紙調査を実施した。和良町は配布数 290、有効回答数268、国府町は配布数1337、有効回答数1225で、調査期間2003年7月_から_2004年1月である。結果:調査結果から両町とも「自然の豊かさ」や「生まれ育った環境」には満足していた。「医療機関(診療所)」や「保健活動」に対しては満足感が高かったものの、その理由には差異がみられた。また、「医療にかかわる項目」では和良町は満足であったが、国府町では不満が多く特徴が表れた。「健康法」は男性長寿の要因として相応しい結果であった。生きがいの第1位は双方とも「働くこと」であり、「人との交流」においては和良町が閉鎖的な結果となった。「福祉サービス」や「日常生活の困りごと」からも地域性が顕著に表れた。このように2町の比較から長寿でありながら生活状況や生活意識に相違がみられ、その要因が今後の豊かな高齢社会の構築に重要な手がかりになると確信する。

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