一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ja-7
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秋田県における食の自立支援事業の実態と住民の食支援に対する要望
*塚田 三香子伊藤 淳子山谷 昭美
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キーワード: 食の自立支援事業
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抄録

(目的)秋田県は平成16年における老年人口の割合が26%を超え、国内でも高齢化の進んだ県として知られている。様々な介護予防支援事業が行われている中で、今回は厚生労働省の市町村支援事業である、「介護予防・地域支え合い事業」における「食の自立支援事業」の実施状況と食支援に対する住民の要望について調査した。この調査を通じ、地域、世帯状況、介護度の違いによるきめ細かな食サービスの実施がどのような基準にもとづいて選択されるべきかを検討することを目的とした。(方法)1.秋田市内16箇所すべての在宅介護支援センターに配食サービス登録者に関する質問用紙を送付し、回答結果を得た。2.秋田市を除く秋田県内68市町村役場の状況について、同様な方法で情報を得た。3.秋田県W町における住民の会食会に参加した住民から食支援に対する要望について調査した。4.秋田市内2箇所の町内で、民生委員を通じて質問用紙を配布後回収し、食支援に対する要望を調査した。(結果)1.秋田市においては、食の自立支援事業として配食サービスのみを実施している。それに対し、秋田市以外の市町村では回答のあった44市町村のうち、全体の68%は「食事会の開催」「高齢者を対象とした食生活相談」「高齢者を対象にした料理教室」の配食サービス以外の事業も合わせて行っていた。2.秋田市とそれ以外の町村では配食サービス登録者の性別、年齢別構成は同様であったが、要介護者の割合が秋田市では89.8%、それ以外では25.8%と大きく異なった。3.秋田市では食支援サービスとして配食を希望する割合が高いが、W町の調査では食材配達サービスの要望が高く、地域ごとに希望するサービスは異なる可能性がある。4.秋田市における調査では世帯状況によって料理頻度、買い物頻度に差が検出され、希望サービスの違いは地域の特質だけではなく、世帯状況の差にもよるものと推察された。

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