一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-47
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靴と足に関する授業による高校生の意識変化
*上野 顕子平林 由果片瀬 眞由美林 ひろみ
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キーワード: 高校生, 家庭科, , , 健康
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抄録

目的 これまでの調査で、多くの大学生がスニーカーの正しいサイズ合わせや適切なひも締めによる足への固定ができていないこと、女子高校生に対する調査では、通学靴としてローファーを履いている者の多くが足のトラブルをもっていることが明らかになった。本研究では、高校生を対象とし靴と足に関する授業を展開し、高校生が自らの足の健康を管理できる知識と技術を身に付けられるようにすることを目的とした。
方法 愛知県下の私立高校生男女200名に、2004年9月、家庭科の「家庭基礎」の授業において靴と足に関する授業を2時間行った。その際、通学靴の種類や選び方、足のサイズに関する知識やトラブル等についてアンケートによるプレテストとポストテスト(有効回答数はそれぞれ170、182)を実施した。
結果及び考察 通学靴としては女子の95%がローファーを、男子の85%がスニーカーを毎日履いていた。男女共に靴選びの第1の基準は「色・デザイン」であったが、その重視度は、女子より男子の方が高かった。授業前後の比較では、授業後の方が男女共に「色・デザイン」の割合が低くなり、「足のサイズに合っている」の割合が男女共に上昇した。現在履いている靴は、授業前、約8割が「少し大きめ(0.5cm)」か「大きめ(1cm)」の靴を履いていると回答したが、授業後には「少し大きめ」か「大きめ」がともに減り、「自分の足のサイズと同じ」が増加した。靴のかかとを踏む行為はローファーを履いている女子に多かったが、授業後は、「踏んでいる」の割合がやや減少した。以上より、研究参加者の高校生にとって、靴と足に関する授業は、自分の足の健康を考えるきっかけになったと考えられる。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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