一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-7
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食用植物抽出成分によるビスフェノールA(BPA)への影響
*岡田 瑞恵岡田 悦政
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抄録

【目的】生体内でホルモン様作用を引き起こすビスフェノールA(BPA)の影響のうち、生体(細胞)への結合抑制を目的として、食用植物由来成分による効果を探ってきた。すでに本大会で報告したBPAとestrogenのestrogen receptorへの結合における食用植物由来成分による抑制効果について、効果の高かったJapanese butterbur(JBB)に着目し検討を行ったので報告する。
【方法】試料抽出は、MeOH,Cold-water,Hot-water(100℃10min後)に24h浸漬後ろ過し、Sep-pack処理しdry-up後DMSO溶解した。(1)食用植物抽出成分とBPAの関係を見るため、BPAの吸収曲線が、MeOH試料を加えることでどのように変化するのか、結合抑制の結果により効果の高かった試料と低かった試料についての吸収曲線の違いを比較検証した。さらに、(2)ラット肝細胞においてBPAが及ぼす影響に対して、試料がどのような効果を発揮するのかを2時間incubationの後蛍光観察を行った。
【結果及び考察】BPAの吸収曲線は、estrogen receptorへの結合抑制における効果が低かった試料の場合、BPA単独の場合と似通った曲線を描くのに対し、効果が高かったJBBにおいてはBPAの吸収曲線の明らかな変化が確認された。これは、何らかの構造的修飾の影響が示唆される。また、蛍光観察の結果はBPA単独と比較して、estrogen receptorへの結合抑制の低かった試料の両者が似通った像が得られた一方で、JBBのMeOH 30μlの場合は変化が見られた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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