一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-13
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食事の画像解析における管理栄養士の食事評価と栄養診断に関する検討
*奥村 万寿美照井 眞紀子
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抄録

【目的】地域住民の栄養状態の改善やQOLの向上につながる予防に管理栄養士が貢献していくことは今後不可欠のものであると考える。地域住民とのコミュニケーション手段としてITを利用した栄養ケアを行うために、カメラ付き携帯電話を使った食事の画像転送による栄養診断システムを開発した。このシステムの問題点を明らかにし、管理栄養士養成において強化すべき教育資料を得ることを目的にプレテストを行い検討したので報告する。【方法】カメラ付き携帯電話を学生2名に貸与し、2004年10月の連続した4日間の食事内容を転送してもらった。熟練した管理栄養士が画像による食事の食材と分量を読み取り解析をし、開発したシステムにより評価した。【結果・考察】画像解析による食事評価・栄養診断についていくつかの課題を見いだせた。判断がしにくいものとして、_丸1_一般的な共通認識のメニューであると食材料が判断しやすいが、好みにより意外性のある食材を使用している場合。_丸2_解像度が高度なカメラでも色彩が類似している食材が形状を変えた場合。_丸3_流動体あるいは半流動体で個体が埋没している場合。_丸4_煮すぎ、焼きすぎなど料理の品質が劣化し、形状や色彩が変化している場合である。また、_丸5_味については対象者の好みの濃さ等の判断がしにくく標準的な味として評価するために正確さに欠ける。_丸6_解析する者の経験や能力に差が発生し教育養成としての学習指導の必要性を感じた。これらの観点を踏まえて教育方法の検討を重ね、地域に貢献できる管理栄養士養成の一助にしたい。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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