一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-25
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沖縄産ドラゴンフルーツの食品特性
*坂本 岬安藤 真美増田 俊哉人見 英里
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抄録

【目的】ドラゴンフルーツ(Hylocereus cacti)は別名ピタヤ(pitaya)とも呼ばれ、中米原産のサボテン科果実である。近年、日本国内でも栽培され、流通するようになってきた。本研究では、沖縄産ドラゴンフルーツの食品特性を明らかにすることを目的として研究を行った。
【方法】ドラゴンフルーツは沖縄県玉城村の農場より紅品種と白品種を購入した。食品特性を探るために生果実の重量、水分含量、糖度、糖、有機酸、ミネラル、pH、色素量、色素安定性、テクスチャーを測定した。また、果汁または果実のエタノール抽出液を用いて種々の方法でラジカル消去能および抗酸化活性を評価した。さらに加工特性を見るため砂糖およびクエン酸を加えてジャムを作成し、テクスチャー分析を行った。
【結果】重量は紅品種480±110g、白品種570±120gであり、水分量は紅品種、白品種とも約85%であった。紅品種と白品種の糖度に差は認められず、糖分析の結果、グルコース、スクロース、フルクトースの順に多く含まれていた。紅品種、白品種共にクエン酸およびL-リンゴ酸が含まれていた。ミネラル測定ではカリウムが豊富であった。抗酸化性試験の結果、色素を含む紅品種においても抗酸化性は弱かった。色素の安定性では果汁中の色素は熱、強酸、強アルカリでは不安定であった。ジャムに加工した場合に、他の果実には見られない特徴的な粘性が確認された。以上のことから、ドラゴンフルーツは生食のみでなく、果実の特性を生かした加工品の開発が望まれる。 

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