一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-30
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和服着用方法の簡便化に関する研究(1)
-身体計測値とお端折りの位置・量との関係-
川上 梅*松本 幸子
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抄録

目的 成人女子用ゆかたの身丈には身長が採用される。着用時には丈方向に余分がでるため、これをお端折りとして折りたたんで処理する。丈・幅の融通をきかせて着用できることは長着の利点であるが、これは初心者が容易に着用できないという欠点にもなる。本研究では、お端折りを揚げとして処理すること目的として、身体計測並びに着用実験を行い、数個の身体計測値からゆかた上のお端折りの位置と量を推定することを試みた。方法 _丸1_女子大生30名を被験者として、身長、頸側高、頸椎高、腸骨稜高、前胴高、後胴高、外果高、前着丈、後着丈の計測を行った。着丈は、メジャーをウエストベルトで固定し、頸側点を通る体表長として前後に分けて外果点位までを計測した値である。_丸2_女子大生12名を被験者として、身丈を各自の身長で製作したゆかた着用させた。肩山線が頸側点の4cm後方に位置するように、また、帯の下5cmにお端折りの折り山がくるように着用した時のお端折りの位置と量を左右の衿下、左右のおくみ付け、左右の脇縫い、背縫いの7箇所で測定した。これら位置と量を、身体計測値及びそれら間の計算値から推定する重回帰式を求めた。結果 _丸1_ゆかたの裾線からのお端折りの高さは、前胴高と正の相関、BMIと負の相関が認められ、これら2項目から7箇所での高さを推定する重回帰式を算出した。_丸2_背縫い及び上前の脇縫い、おくみ付け、衿下位置でのお端折りの量は、前着丈_-_[身長_-_外果高_-_(身長_-_頸側高)]と正の相関、下前の脇縫い、おくみ付け、衿下位置でのお端折りの量は、(身長_-_頸側高)と正の相関を示したことから、これらを説明変数として量を推定する重回帰式を算出した。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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