一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 2P-34
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保育現場からみた幼児の足と靴の問題点
*片瀬 眞由美平林 由果渡辺 澄子
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抄録

【目的】筆者らは幼児期における靴の重要性を広く啓蒙することを目的とし、幼児靴をとりまく現状を調査し検討を行っている。これまで行った保護者に対する調査1)では、靴の選択基準等に問題点を指摘した。本報では、保育現場で多くの子どもたちを常に観察している保育士を対象として、最近の子どもの足と靴の着用の状況をもとに、より具体的な状況調査を行った。その結果、保育現場における新たな問題点を把握することができた。
【方法】調査時期は2004年7月、調査方法は愛知県下の公立保育園25園に勤務する保育士256名を対象に園単位での配布後、郵送による回収を行った。有効回収数は138名である。調査内容は、保育士自身の幼児靴に対する意識および園における靴の履き方の指導、園児の足のトラブル状況、幼児に適していると思う靴種とその理由等である。
【結果】園児の足の健康について、保育士の2割が非常に気になると答え、やや気になるを合わせると9割近くが気になると答えていた。園児の足の症状では靴ずれ、偏平足、足の痛み、巻き爪、タコ・ウオノメなどを指摘しているが、それらが靴に原因があると考えているのは靴ずれのみで、他の症状はあまり靴に原因があるとは考えていない。幼児に適した靴のタイプを、留め具のない靴としたものが34%もあり、紐靴としたものは19%しかいなかった。幼児の靴と足の関係あるいは靴の履き方について、これまでに教わったことがあるというものが83%であったが、これもマスコミ等の情報でというあいまいな知識であり、足の健康と靴の関係を正しくとらえたものとは思われなかった。
1)片瀬ら;日本衣服学会第56回年次大会研究発表要旨集,p.34-35 (2004)

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