一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
58回大会(2006年)
セッションID: 1P-12
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ポスター発表
管理栄養士・栄養士養成の献立作成における専門性の検討(第2報)
日常食と献立作成能力の自己評価との関連について
*照井 眞紀子橋本 賢村上 洋子
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抄録

【目的・方法】 第2報では、同時期に行った20項目の献立作成能力の要因についての学生の自己評価と日常的に出現する料理の関連から、献立作成能力の向上のために必要な要因で、どのような内容を強化した教育をしたらよいかを探り、専門性教育の一助にすることを目的に_(株)_エスミExcelアンケート太閤Ver.3.0を使用し集計解析をした。【結果・考察】5段階尺度で回答させた20項目の献立作成能力の要因について、自己評価が最も高かったのは栄養計算の仕方で4.7±0.5、次いで純使用量から使用量の算出で4.4±0.7であった。また、20項目の要因を栄養・食品・料理・計算に分類し比較検討すると計算関連が平均16.8、次いで食品関連16.5、栄養関連13.7、料理13.2の順に低くなり、計算関連については、「わかる」としているが、栄養や料理関連が「わからない」と評価している。総合評価で最も高く自己評価した者は81点、最も低い者は34点、平均60.2点であった。また、日常的に出現するさばの味噌煮、ブリ大根、炒り鶏などの調理の可否と総合評価との間に相関がみられ、総合評価が高い者は上手に自信をもって作れる、食べられる程度に作れる。また、上手に自信をもって作れる料理、食べられる程度に作れる料理が多い者と総合評価との間にt検定で有意な関連性(p<0.01)がみられた。献立は、食品と料理のもつ特性を勘案しなければならないが、諸要因を盛り込んだ献立を作ることは容易ではない。しかし、日常食の食体験や調理の体験の度合いが献立作成能力と関連性があることを学生に認識させ、自己評価で得られた強化すべき項目を重点的に、献立作成に必要な知識や技術の向上への動機付けに日常の食事と関連づけた教育の必要性が示唆された。

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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