一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: P-166
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キウイフルーツ等マタタビ属果実の糖質、糖アルコールおよび有機酸組成
*西山 一朗福田 哲生大田 忠親
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抄録

目 的 キウイフルーツ等マタタビ属果実には,さまざまな品種・系統がある1).これらの果実に含まれる糖質,糖アルコールならびに有機酸組成の品種間差異に関する報告は少ないため,検討を行った.
方 法 ニュージーランド系キウイフルーツ(Actinidia deliciosa)5種,中国系キウイフルーツ(A. chinensis)7種,シマサルナシ(A. rufa)2種,サルナシ(A. arguta)8種ならびに種間雑種3種の適熟期果実を実験に供した.各々の可食部より得られた抽出液を試料として,糖質および糖アルコールはアミノカラムを,また,有機酸はODSカラムを用いたHPLC法により定量した.
結 果 キウイフルーツおよびシマサルナシ果実のグルコース,フルクトース,スクロースおよびmyo-イノシトールの濃度は,それぞれ2.5~4.4 g/100g,2.5~4.2 g/100g,1.3~4.0 g/100g,および0~0.18 g/100gの範囲にあった.またサルナシでは,それぞれ0.72~1.6 g/100g,0.88~1.8 g/100g,4.1~7.8 g/100g,および0.58~0.98 g/100gの範囲にあり,キウイフルーツと比較してスクロースの割合が高く,また,myo-イノシトール含量が顕著に高いことが示された.一方,キウイフルーツ果実に含まれるクエン酸,キナ酸およびリンゴ酸の濃度は,それぞれ0.84~1.29 g/100g,0.88~1.12 g/100gおよび0.14~0.39 mg/100gの範囲にあった.これと比較すると,シマサルナシ果実ではキナ酸の割合が高く,サルナシ果実ではキナ酸の割合がやや低い傾向を示した.
1) Nishiyama, I. (2007) Fruits of Actinidia genus. Adv. Food Nutr. Res. , 52, 293-324.

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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