一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: H2-15
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住宅用積載荷重の視覚化とその評価
*久木 章江
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抄録
【目的】 積載荷重は住まい手がコントロールできる人為的な荷重である。そのため、設計時に見込む範囲を超えた使い方も可能となるため、安全性確保のためには、住まい手も設計時の想定範囲内か否かを判断できる資料が必要と考える。倉庫的な使用が原因で住宅の床が抜ける事故も発生している。そこで、設計時に想定されている荷重の範囲や、床の安全性を確保することができない状態等を視覚的に示すツールの作成が本研究の目的であり、住まい手が家具等の配置状態から積載荷重をどのように評価するのかを調査した。
【方法】 調査対象は一般居住者20名、文化女子大学住環境学科学生30名、計50名とした。積載荷重のばらつきが比較的大きい住宅の子供室を対象に、積載荷重の少ない部屋、平均的な部屋、多い部屋の三段階を想定した家具配置を行い、これを模型や平面図等により表現した。これらの二次元による表現で提示した際に、積載荷重の大きさをどの程度とイメージするのかに関する相対評価についての回答を得、これらの結果について分析した。
【結果】 居住者の積載荷重の大きさに対するイメージ評価について以下の結果を得た。
1)積載荷重の重量を模型や平面図からイメージすることは難しく、全体的に正解率は低い。
2)評価値を分析した結果、居住者は重量としての認識はしていないが、床の占有面積比率や容積率については把握しており、これを荷重イメージとして回答する傾向にある。
3)平面図よりは模型の方が評価のばらつきは小さくなり、また模型写真については目線高さを意識した写真よりも、上から全体を表現できる方法の方が精度のよい回答となる。
4)平面図や模型の表現に慣れている学生と、一般居住者の評価に大きな差異はみられない。
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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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